ラットに良く見られる皮膚病・呼吸疾患について
≪ラットに良く見られる皮膚病≫
皮膚炎を起こす原因は、ダニ、シラミ、疥癬、ノミなどの寄生虫。
環境中に普通に存在する細菌。
真菌などのカビ類。床剤や食餌によるアレルギー。
ホルモン異常。
栄養状態など多岐にわたります。
原因が単独のことが少なく、混合感染をしていることがあります。
≪家庭での観察のポイント≫
●痒みがあるか Yes 寄生虫・細菌・真菌・アレルギー等 No ホルモン異常・栄養不足等
●フケがあるか Yes 寄生虫・ホルモン異常・栄養不足等 No 真菌・細菌等
●脱毛があるか Yes ほとんどの原因が考えられる。 No アレルギー等
●痒みがあるか(痒みがある場合、掻き壊したり齧ったりして傷があることがある。)
●化膿や出血があるか(傷ついた皮膚に細菌が感染して化膿する。)
※上記はあくまでも参考です。
◆細菌性・真菌性皮膚炎 原因:皮膚にある傷、ストレスやアレルギー等により、免疫力が低下したり皮膚の抵抗力が低下したりして細菌や真菌が感染して起こる。
症状:皮膚がただれたり、赤くはれたり、脱毛が認められたりする。
かさぶたがあったりジュクジュクして分泌液が出ていたりする。
化膿を伴うことがある。
ひどくなると、敗血症を起こし死に至ることもある。
※真菌の場合人に感染します。
痒みがあり、発赤が認められます。
家庭でできること: こまめな環境の消毒と掃除、傷に着く砂や床材の使用をやめる、考えられるストレスの除去、食事の改善等
◆外部寄生虫感染 シラミ…毛に白い粒々が付着している。この粒は、卵とシラミの本体。
疥癬…かさぶたやフケがあり、よく見ると動いているフケが見える。(ダニの本体)
ノミ…体中を走り回る黒い虫や黒い砂状のものが見られる。この粒をティッシュなどに取り湿らせ、血のように染みが広がればノミの糞。
ツメダニ…白く小さなフケが動くのがみられる。(ダニの本体)疥癬に比べ痒みが弱い。
症状:痒みを伴う場合、掻き壊し細菌の二次感染を引き起こすことがある。
フケや脱毛、毛質が悪くなり艶が無く途中で千切れたりする。
家庭で出来ること:環境の消毒と掃除。
◆アレルギー性皮膚炎 原因:特定は困難だが、針葉樹のチップや何の加工をしていない木屑を床材に使っている子たちに多い。
稀に、食べ物やステンレスなどによることもある。
症状:原因に触れている部位が発赤し、痒みがある。
くしゃみや、目やにを伴うこともあり、肥満傾向の子に多いようにおもわれる。
家庭で出来ること:考えられる原因の除去。
◆ホルモン性脱毛 原因:ホルモンのバランスがくずれ脱毛する。年齢的なことが多い。
症状:左右対称の脱毛。痒みも発赤も無い。
家庭で出来ること:特に無い。
◆栄養性脱毛 原因:ビタミンやたんぱく質の不足。
症状:痒みを伴わない脱毛。顔面、四肢などによくみられる。
家庭で出来ること:食餌の改善。
ちなみに、肥満は歩くたびに四肢の脇が擦れたり蒸れたり、お腹が床で擦れたりして出来る皮膚炎に細菌や、真菌が感染したりします。
肥満は万病の原因。
向日葵の種やナッツ類、チーズは控えめに。
いずれの場合も、早急に動物病院に連れて行き原因の確定と、治療をしたほうが良いと思います。
傷ついた皮膚に人用の消毒薬を使用したり、軟膏を使うと症状を悪化させることがあり危険です。
場合によるとシャンプーも悪化の原因になりえます。
また、慢性になればなるほど、完治しにくくなります。
多頭飼いの場合飼い主が感染を広める原因になっている事も少なくありません。
飼育の方法など獣医師と相談してみると良いでしょう。
◆呼吸器疾患 クシャミや咳、鼻水、開口呼吸、努力呼吸(体を使ってする深呼吸)、呼吸促迫(呼吸数の増加)。
時には結膜炎や目やに、鼻水や目やになどによる皮膚炎などの症状を起こす。
主な原因として下記のことが考えられます。
・ウイルス感染
・細菌感染
・真菌感染
・アレルギー
・化学物質の吸引
・腫瘍
・肺水腫、肺血腫、肺膿瘍
・横隔膜ヘルニア
・腹腔内腫瘤、腹水、腸閉塞など腹圧の上昇や激しい腹痛。
・心臓病
・熱射病、熱中症 呼吸器症状を呈する原因は、上記のように沢山考えられ、これらの単独、重複感染により症状も変わり、感染の度合いや期間、原因の摂取量によって症状の程度も変わるために気がついたら早めに動物病院に行かれることをお勧めします。
こじらせると、手遅れになったり、慢性化したりします。
家庭で出来る看護は、安静に出来る環境を作ってあげる。
他の子たちと完全に隔離して湿度気温を一定に保つ。
投薬、食餌、掃除以外のときは極力触らない。
食欲が無い場合、食べる物を中心に高カロリーのものを与える。
十分水分を取れるようにする。